登録電気工事業者とは?申請が必要なケースとは?

電気工事業を始めるには、建設業許可とは別に「登録電気工事業者」としての登録が必要な場合があります。

特に注意したいのが、建設業法では不要とされる軽微な工事(500万円未満)でも、電気工事業法では登録手続きが義務づけられているケースがある点、建設業許可(電気工事業・電気通信工事業など)を取得している者でも、一定の電気工事を行うにはみなし登録電気工事業者の届出が必要な点に注意が必要です。

これから電気工事業を始めようとしている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

電気工事業の登録が必要


電気工事業を営むには、電気工事業法に基づき「登録」または「届出」の手続きが必要です。これは、施工の安全性を確保し、適正な工事を行うための制度であり、無登録で営業することは法律違反です。

たとえ建設業許可を持っている場合でも、電気工事業を行う場合にも手続きが求められます。

建設業許可がある場合とない場合で手続きが変わる

一般用電気工作物のみ又は一般用電気工作物及び自家用電気工作物の工事」を行おうとする場合

  • 建設業許可がない事業者は、「登録電気工事業者」の登録申請が必要です。
  • 建設業許可(業種問わず)がある事業者は、「みなし登録電気工事業者」の届出が必要です。

「自家用電気工作物のみの工事」を行おうとする場合:配電盤メーカーなど

  • 建設業許可がない事業者は、「通知電気工事業者」の登録申請が必要です。
  • 建設業許可(業種問わず)がある事業者は、「みなし通知電気工事業者」の届出が必要です。
一般用電気工作物等とは

一般用電気工作物:一般用電気工作物とは、電圧600V 以下で受電し、その受電場所と同一の構内で電気を使用する電気工作物。一般的には、一般家庭、商店等の屋内配電設備などの電気工作物が該当。

自家用電気工作物:600Vを超える電圧で受電する設備。ただし、電気工事業法の対象となるのは、このうち受電電力容量が500kW未満のもの。一般的には、工場・中小規模ビルなどの事業用設備が該当。


電気工事業者の種類

電気工事業者は、施工する電気工作物の種類、建設業許可の有無により、4通りの電気工事業者に分類されます。

電気工事業者の種類電気工事の種類建設業許可
登録電気工事業者一般用電気工作物等のみ又は一般用電気工作物等及び自家用電気工作物なし
みなし登録電気工事業者一般用電気工作物等のみ又は一般用電気工作物等及び自家用電気工作物あり
通知電気工事業者自家用電気工作物のみなし
みなし通知電気工事業者自家用電気工作物のみあり

登録を怠ると罰則の対象になります

電気工事業法では、次のような罰則が設けられています

  • 登録を受けずに電気工事業を営んだ場合
     → 登録を受けないで電気工事を営んだものは、1 年以下の懲役もしくは10 万円以下の罰金に処され、又はこれを併科
  • 建設業者が届出をせずに電気工事業を開始した場合
     → 2万円以下の罰金

また、以下の点にも注意が必要です

  • 建設業の許可を廃止した後も電気工事業を行う場合、みなし登録電気工事業者の廃止と、登録電気工事業者としての登録が必要です。
  • 登録電気工事業者とみなし登録電気工事業者は重複して登録することはできません。
  • 建設業者となった登録電気工事業者は、登録の効力を失うため、みなし登録電気工事業者の届出が必要です。

登録電気工事業者とは?

ご相談、ご申請の手続きが多い「登録電気工事業者」の手続きについて紹介します。

建設業許可を受けていない場合には、この登録電気工事業者の登録が必要です。

登録の有効期間は5年で、有効期間の満了の日までに更新登録が必要です。

申請先は、例えば、東京都内にのみに営業所を設置する者は、東京都が申請先になります。東京都及び他の道府県に営業所を設置する者は、経済産業省が管轄になります。

登録に必要な主な要件

主任電気工事士の設置が必要です

営業所ごとに、以下の者を主任電気工事士として設置する必要があります。

主任電気工事士になれる者は以下の2パターンです。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士免状の交付を受けた後、経済産業省又は都道府県に登録又は届出されている電気工事業者の下で、電気工事に関し3 年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士

第二種電気工事士免状の交付を受けている者が、主任電気工事士となる場合、主任電気工事士等実務経験証明書等により電気工事に従事していた職歴があることを証明する必要があります

なお、この経験は「電気工事業者登録をしている企業」においての経験に限られ、証明には、証明者である電気工事事業者の代表者印( 法務局登録印、通常は丸印) や個人の認め印が必要です(契約書等の書類は必要ありません)。

実務経験として認められる期間は、①免状交付日以降の期間、②証明者が登録・届出されている期間、③証明された電気工事に従事した期間の、①~③全て重複する期間のみです。

どのような必要書類を用意すればよいか?

  1. 登録電気工事業者登録申請書・誓約書
  2. 主任電気工事士等の電気工事士免状(コピー、第一種免状の場合は講習受講履歴のコピーも)
  3. 主任電気工事士の誓約書・雇用証明書(主任電気工事士が従業員の場合のみ)
  4. 主任電気工事士等の実務経験証明書(第二種電気工事士の場合のみ,原本必須)
  5. 履歴事項全部証明書(法人の場合のみ,コピー可)
  6. 申請者の住民票(個人の場合のみ,コピー可)
  7. 主任電気工事士等の電気工事士免状(原本確認)

新規登録申請の手数料:22,000円


みなし登録電気工事業者とは

ご相談、手続きのご依頼が多い「みなし登録電気工事業者」についてもご紹介します。

建設業許可を受けている場合には、「みなし登録電気工事業者」の届出が必要です。

電気工事業を開始した日から起算して30日以内に届出をする必要があります。手数料は必要ありません。

開始の届出をしない場合、罰則の規定がありますので、必ず開始後に遅滞なく届け出てください。

なお、登録電気工事業者と同様に主任電気工事士の要件を満たす必要があり、建設業の許可日以降、主任電気工事士等 の要件を満足した日から電気工事業を営むことができます。

要件

▶主任電気工事士の設置が必要

登録電気工事業者の場合と同様に、営業所ごとに「第一種電気工事士」又は「第二種電気工事士で3年以上の実務経験」を有する者を主任電気工事士として配置する必要があります。

  • 第一種電気工事士
  • 第二種電気工事士免状の交付を受けた後、経済産業省又は都道府県に登録又は届出されている電気工事業者の下で、電気工事に関し3 年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士

みなし登録電気工事業者の必要書類

以下のような書類を集めて手続きを行う必要があります。

  1. 電気工事業開始届出書
  2. 主任電気工事士等の誓約書
  3. 主任電気工事士等の実務経験証明書(第二種電気工事士の場合のみ,原本必須)
  4. 主任電気工事士の雇用・在職証明書(主任電気工事士が従業員・役員の場合)
  5. 建設業の許可通知書(コピー添付)
  6. 建設業の許可申請書の副本(コピー添付)
  7. 主任電気工事士等の電気工事士免状の写し(コピー添付,第一種免状の場合講習受講履歴も)

電気工事業者のお手続きは行政書士にお任せください

当事務所では、登録電気工事業者の登録申請やみなし登録電気工事業者の手続きを代行しております。

お客様にかわって煩雑な要件確認や書類の準備、提出手続きまで、すべてお任せいただけます。

報酬:66,000円(税込)
※事前のご相談・お見積りは無料です。

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