古物商許可の「行商」とは

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古物商許可の「行商」とは

古物商における「行商」とは、古物商が営業所以外の場所で行う古物の取引をいいます。顧客の自宅まで出向いて、古物の買取を行う行為などがこれに当たります。

また、例えば以下の行為等も全て「行商」に含まれます。

  • 自動車のセールスマン等が取引の相手方の住所又は居所において行う古物の売買
  • 古物市場において古物商間で行う古物の取引
  • いわゆる展示即売会における古物の売却

「行商する」を選択すべき

古物商許可申請書には、「行商をしようとする者であるかどうかの別」の項目があり、行商を「1する」「2.しない」の選択ができます。

古物商は、原則、ご自身の営業所以外の場所で古物の取引を行うことができませんが、「1.する」を選択して申請することで、自分の営業所以外の場所でも取引を行うことが可能となります。客の住所に出向いて買取をすることができます。

逆に、「2.しない」を選択すると、古物の取引は自分の営業所に限られることになります。

そのため、許可申請書の「行商をしようとするものであるかどうかの別」は、営業の幅を広げるためにも「1.する」を選択することをおすすめします。

特に審査上のデメリットはないため、どのような取引を行う場合でも、基本的には「1.する」として申請した方が良いでしょう。

「行商をする」で申請した場合のメリット

  • 自分の営業所以外の場所でも取引を行うことが可能となる
  • 仮設店舗での販売が可能となる(要届出)
  • 古物市場に参加できる

行商をすると選択した場合には、ご自身の営業所以外の場所でも取引を行うことができるようになるメリットがあります。また、事前に警察署に届け出ることで仮設店舗での営業も可能となります。

さらに、「行商をする」で申請する最大のメリットは、古物市場に参加できる点があります。古物市場は、古物商のみ参加でき、相手方との取引について本人確認が不要です。古物市場では、掘り出し物を仕入れることができる可能性もあります。

行商をするで申請した場合、古物商の従業員にも行商を行わせることが可能になるなど、事業の幅が広がるため、基本的には「行商する」で申請をすることがおすすめです。

仮設店舗とは

古物を買受け等するために営業所以外の場所に仮に設けられ、容易に移動することができるものを「仮設店舗」といいます。

「仮設店舗」による営業を行う場合は、「行商する」で申請している必要があります。また、「仮設店舗」において営業を行うときは、営業を行う3日前までに、仮設店舗を設けようとする場所を管轄する警察署に届け出なければなりません。

行商を行う際の注意点

許可証の携帯義務

行商を行う際には許可証を携帯していなければなりません。また、取引相手から許可証の提示を求められた際には、これを提示する義務があります。

(許可証等の携帯等)
第十一条 古物商は、行商をし、又は競り売りをするときは、許可証を携帯していなければならない。
2 古物商は、その代理人、使用人その他の従業者(以下「代理人等」という。)に行商をさせるときは、当該代理人等に、国家公安委員会規則で定める様式の行商従業者証を携帯させなければならない。
3 古物商又はその代理人等は、行商をする場合において、取引の相手方から許可証又は前項の行商従業者証の提示を求められたときは、これを提示しなければならない。

取引の相手方が一般の方である場合の営業制限

古物商がその営業所又は取引の相手方の住所以外の場所において、買い受け、若しくは交換するため、 又は売却若しくは交換の委託を受けるため古物商以外の者から古物を受け取る行為は、法第14条第1項において禁止されています。

したがって、たとえ「行商する」として申請した者であっても古物商ではない一般の顧客からの買い受けは自らの「営業所」又は「相手方の住所」に限られます。道路上や第三者の住所などでの買い受けは制限されます。

行商する行商しない
相手方が古物商どこでも可能自分の営業所のみ
相手方が古物商以外自分の営業所
相手方の住所
仮設店舗
自分の営業所のみ

※仮設店舗営業の届出をしていれば、仮設店舗においても取引することができます。

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